どんな授業をしているか?
ICTが授業を次のステージへ
私は小学校の教師ですが、主に「英語」をメインに教えています。今の小学校教育の現状は、働き方改革とは真逆のことが国レベルで進行していて、「英語の教科化」「プログラミング的思考の必修化」などが注目されています。そしてそれを取り巻く環境の言葉としては「アクティブラーニング」や「ICT」、「カリキュラムマネジメント」などの新しい言葉がどんどん誕生し、現場は混乱しています。
私の英語授業では、ICTを活用しています。小学生ながら一人一台のPCがある環境で、これまでの授業のカタチとは違う取り組みを行っています。
授業例①:マインクラフトを活用した世界との取り組み
その一つの取り組みが、Minecraft(マインクラフト)というゲームを活用した実践です。マインクラフトは、子どもに大人気のゲームで、世界的にも有名なゲームです。このゲームを教育に取り入れている教師は世界中にいて、コミュニティも存在するほどです。Minecraftには、子どもたちを引き付ける力だけでなく、Creativity, Communication, Critical thinking, Collabration, などの次世代に必要なスキルを育てることができるからです。子どもに大人気のゲームを活用すると、子どもたちは笑顔で取り組むようになります。
子どもたちは、Minecraftの中で建物(京都の世界遺産:社会科の知識を活用)を共同で作っていく中で、自分たちが抽象的な表現をしていると、言いたいことが伝わらないことに気付きます。もちろん、全てが上手くいくわけではありません。グループ内でトラブルが起こることもあります。その度に、何を伝えたかったのか、どう伝えればよかったのかを考えさせます。小学生にコミュニケーションスキルを教えることは、根気が必要になります。
また、Minecraftのゲームにはロボットがいます。そのロボットを「観光ガイド」としてプログラミングします。言語は「英語」で行います。小学生には難しい英語表現もありますが、トライアンドエラーでやっていくうちに、英語を習得していきます。
そうやって完成させた「世界遺産」を世界中の小学生と交流します。Skypeを通して英語でコミュニケーションをとります。子どもたちは、自分の一生懸命に作った作品に対するコメントなので、難しい英語でも「One more, please!」などと言いながら、何とか理解しようとします。そういったコミュニケーションの中で、英語を少しずつ学んでいきます。
授業例②:AIを育てる体験をする英語授業
他にも「AIを育てる」という英語授業を行いました。子どもたちはAIに対して、「怖い」というイメージを持っていることが多いです。そこで、一緒にAIを育てる、という経験を通して、どのようにすれば「AIと共存する世界で生きられるのか」ということを考えました。
ICTは授業を次のステージにアップデートしてくれます。
「あったらいいのに」が目の前にある時代がやってきました。授業でも同じです。世界とつながることも難しくありません。時代が変わっていく中で、「生きた英語の習得」の必要性が高まってきました。私の授業では、可能な限り「生きた英語」に触れさせたり、使わせたりすることを意識しています。